Q&A

生殖補助に関するよくあるご質問

不妊症について

その他の

世界保健機関(WHO)に基づく不妊症の定義は以下の通りです。夫婦やカップルが避妊を行わない状況で、一年に渡り定期的に性行為があるにもかかわらず自然妊娠に至らない場合。

不妊症が発生する原因は様々で、男女どちらも原因となる可能性があります。大体の男女比は4:6です(男女どちらにも問題がある確率は約20%です)。

排卵誘発の注射で更年期が早まることはありません。脳下垂体から分泌されるFSH(卵胞刺激ホルモン)を刺激して卵子を誘発します。毎月700~800個の卵子が発育しますが、成熟して供給される卵子は1個だけで、その他は自然に萎縮します。毎月わずか1個の卵子を排出するため、排卵誘発の注射を打ち、(高濃度のFSHを含む)より多くの卵子を成熟させます。排出する卵子が増えても、卵子の量を消耗するわけではなく、更年期が早まったり卵子が無くなることはありません(毎月刺激される排卵数は卵巣機能と関係します)。

多くの患者様が不妊症の外来で、ご主人の禁欲期間がどのくらいのときに精液の質が最良か質問されます。世界保健機関(WHO)の提案に基づくと、3~5日間(7日間以下)の精子の質が最良となっています。

女性:
 女性の年齢が38歳以上
 子宮筋腫や子宮腺筋症
 多嚢胞性卵巣症候群
 子宮内膜症(チョコレート嚢胞……等)
 卵管閉塞または癒着
 卵巣の排卵障害(早発性卵巣機能不全、ストレス、服用薬、内分泌失調)
 高プロラクチン血症
 子宮内膜癒着
 その他

男性:
 精子の数量が少ない
 精子の活動力が低い
 無精子症
 奇形精子症
 性行為を行うことができない
 その他

女性は月経周期ごとに通常成熟した卵子を1個のみ排出します。人工授精の機会を増加させるため、時には排卵誘発剤を使用して卵子の排出量を増やすことが必要になります。一般的に排卵誘発剤に副作用はありませんが、それでも少数の患者様には合併症が現れることがあります。その中でも深刻なものが「卵巣過剰刺激症候群」です。多くの場合、自然に治癒しますが深刻な場合には入院して治療、経過観察が必要です。
卵巣で分泌される物質が血管の透過性亢進を起こし、水分、電解質およびタンパク質等の一部が血管の外へ流出します。また腹腔や胸腔で腹水や胸水が貯まります。この場合、適切な水分、電解質およびタンパク質の摂取や点滴を行うべきです。
ほとんどの患者様が7~10日前後で回復します。ただし妊娠して回復が遅い場合、6週間ほどかかる可能性があります。卵巣過剰刺激症候群が発症すると、毎日少なくとも500cc以上の尿量です。尿量が少ないまたは比較的重症の場合、医師は状況を見て入院を求めて治療を行います。重症の場合、妊娠を諦めたり人工流産が必要になります。重症の卵巣過剰刺激症候群の発生率は0.5~5%で、まれに脳卒中、腎不全、急性呼吸促迫症候群を引き起こして死亡する場合もあります。
現在の服薬方法で、卵巣過剰刺激症候群の問題はほとんど克服できます。

体外受精による妊娠と自然妊娠での流産発生率は、ほとんど同じで約10~20%です。妊婦さんの年齢が上がるにつれて流産率も高くなります。

1.高齢要因:35歳を超えてからの妊娠は、生殖器官の老化と卵子の質が下がるため、染色体異常が起こる確率が高くなります。

2.内分泌失調:胚の早期発育には3つの重要なホルモン(エストロゲン、プロゲステロン、ヒト絨毛性ゴナドトロピン)が必要です。ご自身の内因性ホルモン不足で胚の発育が止まり、流産を引き起こす可能性があります。

3.染色体の問題:染色体異常も胚の発育停止と流産を引き起こします。

4.環境要因:妊婦さんが化学物質に接触したり、生活習慣の乱れにより胚の生長停止が引き起こされる可能性があります。

5.免疫要因:ご自身に免疫疾患が見られる場合。全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、混合性結合組織病等。抗リン脂質抗体等をお持ちの場合、流産する可能性があります。

排卵誘発や体外受精の治療を受けて妊娠された場合、子宮外妊娠の確率は自然妊娠の場合と同等で発生率は1%です。

子宮外妊娠は容易に診断されます。月経が来ない、妊娠検査薬での陽性反応と合わせて、腹痛、不正出血、腹部が押されるような痛みや張っている等の症状です。これらの症状がある場合、すぐに医者にかかるべきです。子宮外妊娠が確認された場合、その治療方法は主に手術で、少数ですが薬物療法を行うこともあります。

中国医学の治療は不妊症患者様の身体を整えることに効果があり、不妊症の治療と合わせて行うことが可能です。ただし漢方医の選択で、生殖医学に関する過程や訓練経験を確認することを推奨します。不妊症患者様の妊娠成功率の向上に効果があります。

不妊症患者様は人工生殖治療の前(約2~3カ月)、まずは妊娠前の詳細な評価を行います。採血でホルモン状態を評価、卵管撮影、経膣超音波検査で排卵状態を観察します。またご主人様は精液検査を進めて、ご夫婦双方の妊娠前の準備を行うことで妊娠成功率を向上しています。